シックカー症候群はあなたの車に潜んでいます
シックカー症候群の脅威
シックカー症候群という症状を聞いたことはありますか?
住宅問題であるシックハウス症候群は数々の媒体で取り上げられていますが、車の問題であるシックカー症候群についてはあまり認知されていません。
確かにシックカー症候群は関連企業や関連団体により対策が講じられ、世間的に大きな問題になることはありませんでした。
しかしながら、まだ本当の意味では安全なマイカーライフを手に入れたとは言えないかもしれません。
まだまだ各企業・団体がシックカー症候群対策に向けて更なる努力を進めています。
ここで利用者である私たちもシックカー症候群の正しい知識を持ち、私たち自身でもできる予防策を理解し実践することで楽しいマイカーライフを守るべきなのです。
本サイトではシックカー症候群についての「知識」と「防ぎ方」の情報を提供し、少しでも多くの自動車を利用される方にその存在を知って頂ければ幸いです。
シックカー症候群の基礎知識
シックカー症候群の真実
シックカー症候群という症状を初めて聞く人が多いのではないでしょうか?
では、シックハウス症候群は聞いたことがある人は多いのではないでしょう。
シックカー症候群とは簡単に言えば、自動車内でおこるシックハウス症候群みたいなものだと考えればいいかと思います。
シックカー症候群の症状としては、例えば新車購入時に車に乗っていて
・頭が痛い
・くしゃみが止まらない
・頭がぼぉーっとする
・関節痛
・発疹(痛み・痒み伴う含む)
・微熱
・めまい
などの症状が頻繁に起こり出したらシックカー症候群を疑ってみることです。
納入したばかりの新車に乗り込んで楽しいマイカーライフを過ごすはずが、子供たちの気分が悪くなったり、体中が痒くなったりなどの体調に異変を感じることとなってしまいます。
そもそもシックカー症候群の名付け親は、環境ジャーナリストで株式会社エコライフ研究所所長の中野博氏と言われています。
中野氏はその著書「新車は化学物質で汚染されている(シックカーは怖い!)」で、シックカー症候群の怖さを取り上げています。
シックカー症候群の脅威は社会的な環境問題としてマスメディアでも取り上げられ、シックハウス症候群やシックカー症候群の原因と考えられているVOC(揮発性有機化合物)についてはトヨタ・日産・ホンダをはじめとする国内メーカーも対策を進めています。
米国環境保護局(EPA)も「車内空気の汚染は5大環境公害リスクのひとつ」としているほど深刻な問題なのです。
もともとはシックハウス症候群の問題を発端に、住環境に関するVOC対策が進められるようになり、自動車の車内環境も問題視されるようになったのでした。
シックカー症候群では自動車の内装に使われる化学物質が原因となって、体調不良や精神の不安定を引き起こすというような症状が発生しそれらが原因で事故にもつながりかねない要注意の症状なのです。
原因とされる化学物質については、厚生労働省が室内濃度指針値を定め、国土交通省が建築基準法の改定により内装材に制限を加えるなど、社会的な対応が進んでいます。
自動車業界もこれに対応しシックカー症候群に関わりが深いとされる13の化学物質を自主規制するなどVOC低減に取り組み始めたのですが、車内で使用されるVOCは約250種類あると言われており「13種類」の自主規制だけでは不十分という声もあります。
そんなシックカー症候群について、予備知識と対応策を知ることであなたのマイカーライフを楽しく健康なものにしましょう。
シックカー症候群の症状と危険性
新しい車に乗ったら「頭が痛い」「くしゃみが出る」「やたらと眠くなって頭がボォーっとする」などの症状を頻繁に感じたらシックカー症候群の疑いがあります。
『シックカー症候群』という名前を初めて聞くという人も多いかと思いますが、実は私たちの生活の中で利用している車に関係してくることなので他人事ではないのです。
シックカー症候群の症状としては代表的なもので
・くしゃみや鼻水が出る
・頭やのどが痛い
・やたら眠く頭がボーッとする
・なんだかイライラする」
・目がショボショボする
などが挙げられます。
例えば、そのまま症状が進行してしまうと
・精神障害 →不眠・不安・うつ状態
・眼科的障害 →乾燥・涙目・結膜の刺激的症状
・末梢神経障害→喉の痛み・渇き・せき
・自律神経障害→発汗異常・手足の冷え
・消化器障害 →下痢・便秘・食欲不振
・免疫障害 →皮膚炎・喘息
などと、シックハウス症候群同様の障害を引き起こす可能性があるということです。
シックハウス症候群同様となる症状の原因になる可能性もあるのですが、もっと怖いのは運転中に発症すると正常な運転が出来ない状態になるかもしれないことです。
シックカー症候群による体調不良や精神の不安定を引き起こすと、運転に対する注意が散漫になり大きな事故につながりかねません。
それゆえにシックカー症候群には充分に注意しなければならないと言われているのです。
特に夏場や冬の暖房シーズンなど車内の温度が上がってVOCが揮発しやすい時期は、特に気を付けたほうがいいと言われています。
自動車は自分だけでなく同乗者や周囲を走行している自動車それに歩行者なども巻き込んで大きな事故となる可能性があります。
シックカー症候群の怖さはこういう2次災害も含めて危険性があると言われているのです。
シックカー症候群に注意する車とは
シックカー症候群に対して気を付けたい車とはどのような状態の車でしょうか。
■新車
先ずは新車を購入したばかりの時は注意が必要です。
納入されたばかりの新車に乗り込んでしばらく走行していると体調に異変を感じることってありませんでしたか?
例えば子供たちの気分が悪くなったり、お爺ちゃんお婆ちゃんの体中が痒くなったりなど。
新車納品の翌日に、国産のワンボックス型新車の室内空気内の化学物質濃度を調べたところ、ホルムアルデヒドなど113種類の揮発性有機化合物(VOC)が検出されたというデータもあります。
ゲンダイネットより http://gendai.net/?m=view&g=kenko&c=110&no=16831
■夏場
大阪府立公衆衛生研究所の調べでは、気温が20度以上になるとこの手の症状が増えてくるそうです。
ゲンダイネットより http://gendai.net/?m=view&g=kenko&c=110&no=16831
例えば夏の炎天下では運転席シートが80度近くまで暑くなると言われています。
そんな炎天下の夏場では、その暑くて狭く密閉された空間でVOC(揮発性有機化合物)が揮発してしまうということですから車内の状況は想像を絶する状態になっているかもしれません。
そんな状況で車内に乗り込んで運転を続けると、塩ビやプラスティックに含まれるフタル酸エステルや有機溶剤は車内で揮発し体内に吸収されてしまいシックカー症候群を発症してしまうかもしれません。
夏場にエアコンをつけて窓を締め切った状態の車内では換気も行われていないので要注意が必要です。
■高級車
驚くかもしれませんが高級車ほどシックカー症候群に気を付けた方が良いと言われています。
大阪府立公衆衛生研究所が調べたデータでは、05年に新車登録から3年未満の国産車101車種にて新車価格帯を3つに分けてVOC(揮発性有機化合物)の濃度をチェックしました。
その結果230万円以上に分類された高級車の位置付けの車が、最もVOC(揮発性有機化合物)濃度が高いという統計が出たのでした。
その理由としては、高級車ほど内装に高級感をもたせる為にウッドパネルや皮シートなどを使用しており、その分接着剤などを多用するためVOC(揮発性有機化合物)が多く含まれてしまうということなのです。
このように楽しみにしていた納品されたばかりの新車(特に高級車)には、実は注意しなければならないシックカー症候群の原因が潜んでいるかもしれないことをしっかりと理解して対処していきましょう。
VOC(揮発性有機化合物)とはどんな成分?
それではシックハウス症候群の原因となるVOC(揮発性有機化合物)とはどのような成分なのでしょうか?
VOCとは「Volatile Organic Compounds」の頭文字を取ったものであり、日本語で書くと揮発性有機化合物となります。
VOCは約900種類が確認されており、そのうち約300種類は人体に有害であると考えられています。
自動車車内に使用されるVOC(揮発性有機化合物)は250種類あると言われています。
VOCは建築資材などに使用されている防腐剤、塗料溶剤、接着剤、木材保存剤、防蟻剤などに含まれており、これらから放散される化学物質がシックハウス症候群の主な原因といわれています。
自動車の場合は内装にVOC(揮発性有機化合物)を利用することが多く、ウッドパネルや皮シートなどに接着剤を使用したり、天井材・座席シート・アームレスト他にもVOCを含む部品が使用されている。
厚生労働省がVOCにおいて室内濃度指針値を定めた13物質は下記になります。(2004年12月現在)
【物質名】
1、ホルムアルデヒド
2、トルエン
3、キシレン
4、パラジクロロベンゼン
5、エチルベンゼン
6、スチレン
7、クロルピリホス
8、フタル酸ジ-n-ブチル
9、テトラデカン
10、フタル酸ジ-2-エチルヘキシル
11、ダイアジノン
12、アセトアルデヒド
13、フェノブカルブ
自動車室内では住宅や家電など日常生活で使用されているものと同様な素材が使用されており、これらの素材から揮発する物質の混合物が車室内のVOCとなります。
また、自動車室内のVOCは
・車室内のVOC濃度は一般的に時間とともに低減していくが、物質によってその低減の度合いは異なる
・車室内のVOC濃度は車室内の温度によって異なる。炎天下で駐車している自動車の室内では濃度が高くなる場合がある。
・走行中の窓開けやエアコンの外気導入などによる換気を行うことで、車室内のVOC濃度は大幅に低減する
という特徴があります。
厚生労働省が指定した13物質の指針値とは?
シックハウス症候群問題をはじめ、自動車でもシックカー症候群が問題視される中、厚生労働省は体内への影響が懸念される13物質に対して「シックハウス(室内空気汚染)問題に関する検討会」にて検討の結果、ホルムアルデヒドをはじめとする13物質の室内濃度指針値を策定しました。
厚生労働省が定めた13物質とその室内濃度指針値は下記になります。(2004年12月現在)
物質名 |
室内濃度指針値※ |
主な発生源 |
|
| 1 | ホルムアルデヒド | 100μg/m3(0.08ppm) | 合板、壁紙などの接着剤 |
| 2 | トルエン | 260μg/m3(0.07ppm | 内装材、家具などの接着剤、塗料 |
| 3 | キシレン | 870μg/m3(0.20ppm) | |
| 4 | パラジクロロベンゼン | 240μg/m3(0.04ppm) | 衣類の防虫剤やトイレの芳香剤 |
| 5 | エチルベンゼン | 3800μg/m3(0.88ppm) | 合板、家具などの接着剤、塗料 |
| 6 | スチレン | 220μg/m3(0.05ppm) | 断熱材、浴室ユニット、畳心材 |
| 7 | クロルピリホス | 1μg/m3(0.07ppb) | 防蟻剤 |
| 8 | フタル酸ジ-n-ブチル | 220μg/m3(0.02ppm) 但し小児の場合は0.1μg/m3(0.007ppb) |
塗料、顔料、接着剤 |
| 9 | テトラデカン | 330μg/m3(0.04ppm) | 灯油、塗料 |
| 10 | フタル酸ジ-2- |
120μg/m3(7.6ppb) | 壁紙、床材、電線被覆 |
| 11 | ダイアジノン | 0.29μg/m3(0.02ppb) | 殺虫剤 |
| 12 | アセトアルデヒド | 48μg/m3(0.03ppm) | 建材、壁紙などの接着剤 |
| 13 | フェノブカルブ | 33μg/m3(3.8ppb) | シロアリ駆除剤 |
この13物質について、社団法人日本自動車工業会は下記の取組みを発表したのでした。
「厚生労働省の室内濃度に対する指針値指定13物質に対し、2007年度発売の新型乗用車から指針値を満足させる。また、それ以降も各社さらに室内濃度低減に努める(対象は、国内で生産し、国内で販売する乗用車とするが、トラック・バスを含む商用車についても2005年度内を目処に自主取り組みを公表できるよう検討を進めている)。」
http://www.jama.or.jp/lib/jamareport/098/index.html
厚生労働省が提示した室内濃度に対する13物質に対する指針値指定に沿って、各関連団体・企業は2007年度発売の新型乗用車から指針値をクリアする自主取組みを推進することとしたのでした。
シックカー症候群の自衛策
各自動車メーカーがシックカー症候群の対策を講じてくれています。
しかし、私たち利用者でもできるシックカー症候群の自衛策がありますので、試せるものからどんどん実施していきましょう。
【換気をこまめにする】
最も簡単で最も効果があると言われているのが『換気』です。
換気はお金もかけずに誰にでも簡単にできるシックカー対策なのです。
走行中の窓開けやエアコンの外気導入などによる換気を行うことで、車室内のVOC濃度は大幅に低減します。
特に夏の炎天下での車内のVOC濃度は高くなっていますので、長時間炎天下の駐車場を利用していた場合などは、窓を開けて換気を充分に行ってから車に乗るようにしましょう。
また、新車購入時は密閉した状態で車内温度を高めてVOCを揮発させ、換気をすることで一気にVOCを車外へ放出するようにしてみるのも効果が期待できます。
時間経過に伴う濃度が低下していく傾向にあるので、新車購入時にしっかりと換気を行いVOCを外へ放出したいところです。
【車内温度上昇を防ぐ】
自動車室内の温度が上がればVOCを揮発させてしまうので、なるべく車内の温度は上げない工夫をしましょう。
・屋根付きの駐車場を利用する(特に炎天下の夏期)
・冬期も必要以上に暖房で車内温度を上げない
・
【対策品の利用】
有害化学物質除去剤:民間企業より有害化学物質除去剤が発売されています。
【シックハウス症候群の対策法の流用】
シックカー症候群はもともとはシックハウス症候群と同様の原因や症状であることから、シックハウス症候群の対策製品やサービスを流用することができるかと思います。
シックハウス症候群はシックカー症候群と比較して、昨今の住宅問題でかなり注目を集めていますので、対策製品や対策サービスが多く提供されていますので、そちらの方もチェックしてみることをお勧めします。
自動車業界のVOC軽減への取り組み
財団法人日本自動車工業会は厚生労働省が策定した指針値指定13物質に対し2007年発売の新型乗用車から基準クリアを目指し各々の自動車メーカーにてそれぞれの取組みを実現しています。
また今後も、揮発する化学物質の使用量を抑えたクルマづくりを進めることとし。特に、厚生労働省室内濃度指針値がすでに設定されている個別の化学物質(接着剤や塗料に含まれる溶剤の水性化や無溶剤化等)に対する低減を優先的に進める方針です。
車室内のVOCについては、車室内のさまざまな部品から揮発する成分の混合物であるため、部品メーカーや素材メーカーの協力を得ながら取り組んでいく方向性で、住友スリーエムなども同取組みへの具体的な施策をプレスリリースしている。
http://car.nikkei.co.jp/release/index.cfm?i=160169
国内自動車メーカーにおいては2005年3月頃から各社による『シックカー症候群』対策が本格化する動きが始まっていたのです。
各自動車会社の取組みにより2007年度以降に国内で発売される乗用車については、厚生労働省がシックハウス症候群対策で定めた13物質の室内濃度指針値をクリアしています。
各自動車メーカーの対応は下記のようになっています。
トヨタは、すべての部材のVOC発生量を細かく把握しVOCの発生しない10部品を2003年12月以降のクラウンで採用しています。
またニッサンでも部材を見直し、2004年10月以降のフーガで、車内のアセトアルデヒドなどの濃度を、従来の半分程度に抑えました。
マツダでは1999年4月にVOC除去剤を加えた空気清浄フィルター全車にオプションで装着できるようにしています。
三菱自動車はホルムアルデヒドを発生しないばかりかむしろ吸収する天井材を使用し対策を講じています。
残念なことにこれらの対策はあまり大きく公表されることがない状態が続いており、VOCについてはカタログに記述が少ないことも見受けられます
新車を買うときにはセールスマンにそのあたりの対策がどれくらい施されているか確認した方がいいかもしれません。
自動車大手国内メーカのそれぞれにVOC対策はプレスリリースや自社ホームページが発表の場となっています。

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